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の?」
「ご、500円ですけれど???。」
「これに、紅茶も付くんでしょう?」
「あ、はい???。」
愛子は不安そうに言う。

「う~ん???、ファンになりそう。また、誘ってよ。」
「あ、はい???。」
愛子がにっこりとする。


平成の現代であれば、3倍の1500円ぐらいは取れるランチメニューである。
それでも、当時の500円のランチは、一般のサラリーマンにとってはちょっとした贅沢だった。
現代では殆どなくなってしまった所謂「一膳飯屋」であれば、トンカツに大盛りご飯と味噌汁を付けて200円ほど。カレーライスが120円~150円程度だったことを考えれば頷けるだろう。
現に、源次郎も、自分の小遣いで食べるとすれば、きっとここにはやってこない。


「最初は、こうしたランチメニューってなかったんです。」
愛子がそう説明をtimberland 靴
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する。

「あらっ! そ、そうだったの?」
美由紀がつぼ焼ききのこを手元に寄せながら応じる。
もう完全に「女の子のお喋りタイム」である。

「ええ???、どうも、そうしたイメージがなかったようで???。
ほら、日本人って、すぐに“何とか定食”ってところに目が行くでしょう?
本当は、単品のメニューから好きなものを選べば良いのに???。」
「そ、そうねぇ~???。」
「おまけに、ここはロシア料理ばかり???。
デパートの食堂のように、店の前にサンプルが並んでいるものでもなし???。」
「うふっ! そ、そうね???。」
「そういうこともあって、お客さん、店の前は通るけれど、誰も足を止めようとはしないし、ましてや中に入ってくることもない???。」
「うんうん????。」
美由紀はきのこを口へと運びながら応じている

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